Eno.38からのお手紙

「ほう。さては物好きだな、態々覗くとは」


「……いいだろう。僕はアレン・ブラック、いっかいの神父だ」


「話し方の違い程度、気に留めることでもなかろう? ああ、」



 ひとつ、話をしよう。

「端的。死出は、主に与えられうる許しのひとつだと考える」


「それがカインのごときものであったとて」


「主が御悲しみになられ、罰をお与えになるとて」



「……だが併し。メシアが十字によって与えたもうた愛を」



 (ひと呼吸)

「永遠の天国を忘れたわれらが、踏みつけにするのなら」



「誰かが愛さねばならぬふたたび。ならねばならぬ、誰かがカインに」



「だれもが罪人なら、みな十字架に死なねばならぬ」


「義人をなくし、誰もがあざけるのなら」



「僕が許そう」




 ……。いやなに、祝いの席で話すことでもなかったな。

 ここにあるすべては例え話だ。なぜなら、ここは祝いのせかい。
 僕はここにあるものを素晴らしいとおもう。主に愛されているだろう。

 無礼講と東のことばで聞き及ぶのだ。
 して、ほんとうはこうであってほしいとも。



「…………」


「では失礼。呑みの続きとゆこうか」