はりこ　さま


もしかしたら、私の書いた文字に魔法の粉が残っていたのかも……なんて。
何も仕掛けてはいなかったけれど、見出してくださったのね。ちょっぴり恥ずかしいかもしれません。

こういうのもなんですが、あなたはきっと素敵な方なんですね。
人間たちが手紙を受け渡しする様を見て真似したりはしましたが、
こうやって私のお手紙を大事に読んでくれて、お返しを下さる方は初めてですもの。

菜の花は黄色で、『おひたし』はゆでものなのですね。
埋め尽くすほどの花畑は見たことがないから、きっと菜の花というのは見たことがないのでしょう。
春を教えてくれる花、一目見てみたいですけれどこの場所には流石にないかしら。
自然の絨毯はどの色でもすばらしい光景なのは、お屋敷の庭で学んでおります。

私は人間くらいの大きさですから、おやつ程度にしかなりませんけれど。
きっとお腹いっぱいで、花瓶に飾る分まで持って帰れてしまうかも。
花の蜜以外にも、花そのものを食べられるというのは新鮮なことです。
一介の妖精が、神様のお供え物をいただく訳にはいきませんけれどね。

そうですね。ここには色々な食べ物がありませけれど、あなたはどんなものが印象に残りましたか？
私はまだあまり回っていないから、参考にさせてほしいです。


真っ白い召使いより