Eno.32からのお手紙
『
はりこです
お祝いのあいさつは何度してもいいものですね。
ぼくももう一度、ごあいさつしちゃいます。
あけましておめでとうございます。
この文字も、ぼくがただ書いているだけじゃなくて、妖精さんに見てもらえているんだなって思えるので、うれしいです。
ぼくは人間さんのかっこうをしていますよ。
神様から分けてもらった神通力で、人間さんに化けています。
でも、ぼくは虎なので、耳の位置が人間さんとはちがいます。
あと、しっぽが隠せていません。
しっぽと耳があたたかい色なんですけど、人間さんにはしっぽがないからだとおもうんですが、人間さんに化けても、なぜかしっぽと耳は残ってしまうんです。
だから、ぼくはあんまり人間さんの多いところにはいきません。
人間さんがぼくの尻尾や耳を見るとびっくりしちゃうからです。
でも、すごくひとが多いところだと、逆にぼくのことは気にされないんです。
すごくひとが多いところだと、人間さんなのに、ぼくや神様みたいな格好をしているひとがいるから、ぼくは目立たなくなっちゃうんです。
それがなんだかおもしろいなっておもいます。
気にされないのはさみしいはずだけれど、でも、ちょっと落ち着くんです。
ぼくや妖精さんが今いるここも、そんな感じがしますね。
人間さん以外のひとがたくさんいるから、ぼくの耳や尻尾も、目立たないんです。
ぼくはただのぼくで、ただのはりこで、それがちょっとうれしいんです。
うれしいことはもうひとつあって、ぼくはちゃんと人間に化けられなくて、しっぽや耳が虎のまま残ってしまいますけれど、そのおかげで、いつか妖精さんとすれちがっても、ぼくとわかってもらいやすいかなっておもうからです。
はりこ。
追伸(追伸というのを一度やってみたかったんです):
このまえ、バーベキューエリアで、とあるひとが丸太の形のケーキを焼いていたのをいただきました。
ブッシュ・ド・ノエルというそうです。
こんな形のケーキもあるんだなとびっくりしました。
妖精さんがホットココアを飲みながらお手紙を書いていたのを思い出したので、ぼくもホットココアと一緒にいただきました。
とてもおいしかったです
』