Eno.5からのお手紙

私はユキが好きだ。

こうして書き出すと、
納得できる。

明確に言語化するのを避けていたが、
昨日はあいつにはっきりと宣言した。好きだと。

相手の感情に対する答えでもあったし……
言語化することにも、意味があると思う。

あのぬいぐるみはさんざん私のことを煽っていたが、
結果としては思い通りになってしまったな。

……あの時から、ここに至りうる感情は抱いていたと思う。
ただ、言語化を避けていた、
はっきりさせるのを避けていた……
それは否定できまい。

色恋なんてしたことがない、思ったことがない。
普段から言っている男の条件ーー
頭がよく、顔もよく、私によく従い……
なんてのを、ポーズと受け取る人間が大多数だが、
私は結構本気だったのだ。
わからないから、それ以外の判断基準が無いのだ。

ユキも、初めはそんなつもりはなかった……と思う。
もしも、初めから本気だったとしたら、大した役者だ。
いつからか、ユキをからかうための所作は、本気が混じってきて。

実験のつもりでしかなかった添い寝は、自然なものになってきて、
今はユキがいないこのベッドに寒さと、寂しさを感じている。

絶望させるつもりも無いし、
絶対に不可能とは思わないから、
いずれ次元も時空も越える女になる……とは言っているが、
さて、現代の技術だけでそれが実現するとは……あまり、思っていない。
何度も巻き込まれている存在であるから、
もしかしたら私自身には『何か』があるのかもしれない。
だけど、その『何か』は私には感知できないのだ。

言語化するのも嫌な話だが、
私はチョロい女なのかもしれない。
やつのことも、ずっと意識してしまっていたし、
こうして、ユキとお互いを想っている。
まあ、それはいい。

……さて、フタハナ島においては、
最後は文字通り望むところに送り届けてくれる、
都合のいい船があった。
ここにも、そういうのがあればいいのだが。

……さもなければ、現実的には……
ここで今生の別れ、か。
あるいは、またセレブレイティアに二人、
都合よく呼ばれるかもしれないが……
希望的観測でしかないだろうな。

私はユキが好きだ。
こうして書きなぐることで、感情の吐露と整理を行っているぐらいには。
チョロいと思われようとも、安易と言われようとも、
色恋を知らなかった女の勇み足と言われても構うものか。
関係性の名は我々が決めるのならば、
これぐらい熱くなってもいいだろう。
冷まされるならそれまで、
持ち帰られるならば……そこから考えても、遅くはない。