エピローグ
――再び、音声メッセージの添えられたお手紙があなたに届いた。
声の主は聞き慣れたかもしれない、中性的な声。
――そうしてメッセージは終わる。
遠くを見渡せば、遠景からは泡のような粒子が溢れている。
声の主は聞き慣れたかもしれない、中性的な声。
「よっ。
良いニュースと悪いニュースがあるから、ぼちぼち伝えとくぜ」
「この世界に祝いの力が満たされたらしい。
長いパーティだったが、お開きと言われるとまあ寂しいな」
「……パーティ、どうだったよ。
っていうのも、世界を満たした祝力はあくまで総量だからさ」
「こっから出たくないほど楽しめたかもしれんし、
もしかしたら慣れん喧騒でうんざりしたかもしれんし。ま、巻き込んで悪かったな」
「ただ、もしお前がここでの出来事が気に入ったなら――」
「この世界を作った"天使たち"も冥利に尽きるだろうさ」
「もうじきしたら、世界の各所がほどけ始めるかね。
お帰りの際はほどけた場所に飛び込みゃ、元の世界の元の時間軸で元通りさ」
「――ああ、"お土産"があるなら手から離すなよ。
それだけが唯一、"お前がここに来た証拠"になるんだからな」
「そいじゃ、残り時間もごゆっくり」
――そうしてメッセージは終わる。
遠くを見渡せば、遠景からは泡のような粒子が溢れている。