Eno.32からのお手紙


はりこです。

お返事ありがとう。

お手紙が2枚届いていたのでびっくりしました。
何かが隠れているのかなと思って、重ねて太陽の光に透かして見たりしました。

何もわからなかったですけど、でも、手紙をそうやって重ねたり、太陽に透かしてみることってなかったから、とても楽しかったです。
手紙を太陽に透かすと、妖精さんが書いてくれた文字が、きらきらと光っているように見えるんです。

ぼくは、字がそんなふうにきらきらしているのを見るのは初めてなので、すごくうれしかったです。
妖精さんがお手紙を2枚送ってくれたおかげです。


レースフラワー、は、名前は知らなかったのです、妖精さんの説明でわかりました。
あの小さくて白いお花がレースフラワーなんですね。

名前を知ってからだと、お店で見かけたときに「あ、レースフラワー。妖精さんの好きなお花だ」と思えるようになったのがうれしいです。
妖精さんが花の蜜をもらうところを想像したりもして。このくらいの大きさなのかなーって。楽しいです。


ぼくが好きな春の花は、菜の花です。
小さくて黄色い花がいっぱいに咲いて、菜の花畑になっているのを見ると、黄色のじゅうたんみたいできれいなんですよ。

きれいなだけじゃなくて、菜の花はすごく強いんです。
ひとつひとつは小さくて、そんなに強くなさそうなのですけど、他の花が咲かないような場所にも咲いて、ここにもちゃんと春は来てるんだよと教えてくれるんです。


それから菜の花は、油になったり、『おひたし』にして食べたりもできます。
人間さんが菜の花を摘んで、ゆでて、神様におそなえしてくれます。
茹でると黄色がますますきれいになるんですよ。
ぼくもそれを分けてもらっていただくと、ちょっと苦くて、おいしくて、春の味だなって思います。

菜の花は密の量は多いのかな。でも、たくさん咲くから菜の花畑を回ればお腹いっぱいになれちゃいますよ。



はりこ