RECORD

Eno.57 ラト族のキャロの記録

酒豪の冒険者と

「キャロ…まだ寝ねえの?」


オレとゼイルが共に行動するようになってから数日。
次の依頼はちょっと遠くの場所。馬車で3日。
転移魔法陣ならすぐなんだけどな…。依頼の場所は魔術師を嫌う村だったんだ。
この時、フォルテやラムズがいなくて(まだ出会っていなくて)良かったと思う。
だから張り紙には「魔法使い・魔術師系の方はお断りいたします」とのことだった。

まだ寝ないぞ、準備があるからな。と返答すると

「……手伝うか?」


と聞いてきた。全くお人よしだな、コイツは。

「大丈夫だ。寝てていいぞ。その代わり戦闘の時はたくさん働いてくれ」



ゼイルはおう、と呟いて再び寝た。
酒飲みの冒険者は意外にも早く寝る。オレもそうだけど…まぁこの時はコイツの為に準備してるんだ。
馬車が何者かによって襲撃された時が困るからな。
安全な道を行くらしいが、備えあれば何とやら。
何も無いといいな。

実際の旅は何も無かった。
実は別の冒険者が馬車狙いの賊ども討伐していたとのこと。

それがまさか『破壊の魔術師』だと知ったのはもう少し先の話。