RECORD

Eno.128 凩 葵の記録

本物の悪魔と相対したのは流石に初めて。
悪魔っていうのは契約に厳しく意外と律儀なんだなあと思った。
悪魔の囁き、なんて慣用句があるけれど。正にその通りで、
その悪魔は甘美でとても断りにくい願いを提示してきた。

──私は悪魔と契約した。
もう戻れない。
いや。戻れないと言うなら、きっとここに来たときから。

悪魔と契約し、未来を創る。
その果てにあるのは幸せな夢の破綻。
……それでも構わないと思える。
これまでの退屈に膿んだ生を思えば。