RECORD
Eno.158 チトセの記録
【爆発】
────閃光。衝撃。爆音。
身体が、肉が、万物が弾け飛ぶ凄まじい破壊のエネルギー。
始めは、面白そうな武器があるという興味本位だった。
上手く起動するかも分からない武器。
起動した上で、破壊力を求めるなら。より密着する必要があって。
暴発した際に感じた衝撃は───否が応にも、頭に、身体に、焼き付いてしまった。

────ソレはもう、麻薬か何かのよう。
軽い物は重く。炸裂するかしないかもその時次第。その瞬間でさえ、心を沸き立たせる。
文字通り、命を張ったギャンブルに身を投じていく始末。
遊びの上での、と前口上は付くが。それでも賭ける事には変わらない。
そんな遊びも、レイドボス相手に数撃つようになり。
いつの間にか増えたクレイモア使いの1人、ヘイヤちゃんの生み出した戦法。
祝福爆破が爆発の威力を倍加させるコトから、それも主流になり始めていった。
そうして、気が付けば地雷ギャルトリオなんて名がつく位、増えて行って。
それ以外にもクレイモアの使い手が増えていく。皆して、クレイモアにハマっていく。
────命の価値が軽くなっていく。この世界の規定に沿うかのよう。
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段々と熱が冷めていく。楽しかったコト。頭に、身体に、記憶に焼き付くカイカン。
けれど、"ソレ"が当たり前になり始めたら────そうじゃなくなっていくんだ。
最後のレイドボス。空へ浮かぶ島を前にした時も、あたしの手にした得物はクレイモアだった。
ハンマーを振るう。強化は得られない。得られない。得られない。得る。
クレイモアを握り締める。大吉どころか中吉すら起きない。
気が遠くなる作業。気が狂いそうになる。楽しくないコトはしたくない。
けれど、あたしが始めたコト。あたし自身が、自分の意志で始めたコト。
───全て使い切るまで、投げ出す事は許されない。何より、あたし自身が許せない。
島と向き合い始め、日々クレイモアを握り締め。満足いく爆発は起きず。
はや3日。あたしは飢えていた。いや、焦っていたのかもしれない。
爆発に。周りの皆の活躍に。自身の拙い感情に。
───もう、楽になっちゃうか。
そんな思いで。ヘイヤちゃんにクレイモア改造に使った品々やハンマーを渡しつつ。
今までのクレイモアで一番長く付き合った、現時点での最高傑作。
ソレに、さらに負担を掛けるかのように加速装置を組み込んで───
成功してしまった。
獣人の整備士や、ヒメちゃんも言ってたことを、思い出した。
大事にした武器には意志が宿る……とか、そんな感じだった気がする。
この子も、まだやり切れないんだな……って思った。
なら、やるっきゃないよね。強く、握り締める。
ハンマーを振りかぶる。強化、付与。
────クレイモアを握り締め、走る。
────────空を駆け、島へ肉薄し。得物を叩きつける。

────閃光。衝撃。爆音。
身体が、肉が、万物が弾け飛ぶ凄まじい破壊のエネルギー。
今までに感じた物とは段違いの感覚。それと共に感じたのは───

この世界は所詮"ゲーム"なんだってコト。
『本物』には、到底及ばない。
周りの賑やかな声を聴きながら、昔言われた言葉を思い出していた。
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あの時は、なんて言ったっけ。………思い出したら、何故だか笑いが止まらなくなった。
もし、また同じような事を言われたら。きっと今なら───

もう、"コレ"は飽きちゃった。
今の、この子が使えなくなって。修復不可能になるまで遊んだら───もう、お終いにしよう。
身体が、肉が、万物が弾け飛ぶ凄まじい破壊のエネルギー。
始めは、面白そうな武器があるという興味本位だった。
上手く起動するかも分からない武器。
起動した上で、破壊力を求めるなら。より密着する必要があって。
暴発した際に感じた衝撃は───否が応にも、頭に、身体に、焼き付いてしまった。

コレじゃ足りない。…もっと。もっと…!
────ソレはもう、麻薬か何かのよう。
軽い物は重く。炸裂するかしないかもその時次第。その瞬間でさえ、心を沸き立たせる。
文字通り、命を張ったギャンブルに身を投じていく始末。
遊びの上での、と前口上は付くが。それでも賭ける事には変わらない。
そんな遊びも、レイドボス相手に数撃つようになり。
いつの間にか増えたクレイモア使いの1人、ヘイヤちゃんの生み出した戦法。
祝福爆破が爆発の威力を倍加させるコトから、それも主流になり始めていった。
そうして、気が付けば地雷ギャルトリオなんて名がつく位、増えて行って。
それ以外にもクレイモアの使い手が増えていく。皆して、クレイモアにハマっていく。
────命の価値が軽くなっていく。この世界の規定に沿うかのよう。
………。まぁ、楽しいならいいんじゃないかな。
段々と熱が冷めていく。楽しかったコト。頭に、身体に、記憶に焼き付くカイカン。
けれど、"ソレ"が当たり前になり始めたら────そうじゃなくなっていくんだ。
最後のレイドボス。空へ浮かぶ島を前にした時も、あたしの手にした得物はクレイモアだった。
ハンマーを振るう。強化は得られない。得られない。得られない。得る。
クレイモアを握り締める。大吉どころか中吉すら起きない。
気が遠くなる作業。気が狂いそうになる。楽しくないコトはしたくない。
けれど、あたしが始めたコト。あたし自身が、自分の意志で始めたコト。
───全て使い切るまで、投げ出す事は許されない。何より、あたし自身が許せない。
島と向き合い始め、日々クレイモアを握り締め。満足いく爆発は起きず。
はや3日。あたしは飢えていた。いや、焦っていたのかもしれない。
爆発に。周りの皆の活躍に。自身の拙い感情に。
───もう、楽になっちゃうか。
そんな思いで。ヘイヤちゃんにクレイモア改造に使った品々やハンマーを渡しつつ。
今までのクレイモアで一番長く付き合った、現時点での最高傑作。
ソレに、さらに負担を掛けるかのように加速装置を組み込んで───
成功してしまった。
獣人の整備士や、ヒメちゃんも言ってたことを、思い出した。
大事にした武器には意志が宿る……とか、そんな感じだった気がする。
この子も、まだやり切れないんだな……って思った。
なら、やるっきゃないよね。強く、握り締める。
ハンマーを振りかぶる。強化、付与。
────クレイモアを握り締め、走る。
────────空を駆け、島へ肉薄し。得物を叩きつける。

────閃光。衝撃。爆音。
身体が、肉が、万物が弾け飛ぶ凄まじい破壊のエネルギー。
今までに感じた物とは段違いの感覚。それと共に感じたのは───

………。この程度、か。
この世界は所詮"ゲーム"なんだってコト。
『本物』には、到底及ばない。
周りの賑やかな声を聴きながら、昔言われた言葉を思い出していた。
「……まさか、スリルを求める所から、破滅願望まで行くのは予想外でしたね。」
「最後は人間爆弾になって、花火にでもなるおつもり?」
「……それじゃあよ。
やっぱ、退屈に耐えられなくなっちまったら……
自分から花火になっちまうつもりか?」
あの時は、なんて言ったっけ。………思い出したら、何故だか笑いが止まらなくなった。
もし、また同じような事を言われたら。きっと今なら───

「ならないよ。だって、もう充分花火は楽しんだもん」
もう、"コレ"は飽きちゃった。
今の、この子が使えなくなって。修復不可能になるまで遊んだら───もう、お終いにしよう。