RECORD
原点
「ヘルツくん、お菓子は何をもらえたの?」
「先生。ウェハースに、ブラッドベリーのロリポップ……
あ、見たことのないお菓子もあるよ。外国のものかな」
「大陸中にダンジョンが湧いてから、
色んな国の人が来るようになったらしいものね」
「今日見たサムライも仮装じゃなくて本物だったのかな」
「ふふ、そうだといいわね。
さあ、お祭りの日とはいえ、もういい子は寝る時間よ」
「ええ~、もう少し先生とお話していたいよ」
「ダメよ。毎日言っているでしょう。
規則正しい生活こそが……」
「美しい筋肉と健全な精神を育むッッ」
「そう!!! ここはモストマスキュラー孤児院!!!!
いたいけな子供たちを守れるのは筋肉という抑止力のみ!!」
***
先生
孤児院を物理的に守っている最強の筋肉女。
ヘルツ
ひな鳥の頃のかわいさには今も自信がある。
「ヘルツ!!! 私に守られるからには、
君もここの掟に従わなければおしりペンペンだぞ!!!!」
「ヒッ!! ごめん先生!!!」
「言うことはきくよ。
でもぼくだって……いつかは先生を守る側になりたいんだ。
筋トレだって頑張ってるでしょ」
「気持ちは嬉しいわ。
だけどね、この筋肉は常人には必要ないものなのよ。
特にそんな幼いころからの筋トレはよくないわ」
「君は先生と筋肉ばかりかまっていないで、
お友達を作ってたくさん遊ぶべきよ」
「そう言われたって……」
「いつかその価値もわかるようになるわ。
さあ、いい子だから眠りなさい。
それが将来の筋肉を育てるのだから」
・・・
「376 377 378……」
「腕立てをしていると昔のことを思い出す。
それともこのカボチャがそうさせるのか」
「私が孤児院を引き継いで結構経つが……
先生は今もお元気にされてるだろうか。
結局告白してもキッパリ振られてしまったな。ぬはは」