RECORD

Eno.183 苧麻(ラミー)の記録

茎蒸(カラムシ)の世界樹



僕は彼女の世界へ渡る、媒体を探していた。

思えば今までは、彼女への思いを秘めていても、誰にも言えなかった。
温泉だとかサイバーエリアだとかで、多分よく会う奴らには気付かれていた気がする。
相談、してみても良かったな、そう思いながらも。

そうだ、これにしよう


僕は、新しく開かれた『ミステリーエリア』で見つけた木材トネリコを手にして。


此処から彼の地へ枝を伸ばし

その道筋を繋ぎ留めよ

汝は世界を渡る導となりて

彼女へ祝福をもたらさん






僕はその枝を手にする。
見た目はただの、カラムシの枝自らが依代にできる植物が一本。
それをそっと彼女の鞄へと忍ばせた。


そういえば、よく髪に花をつけていることがあるという。
この枝も大きくはないから、彼女の髪にも乗るんじゃないだろうか。

邪魔にならず、水やりも必要ない、いわばマジックアイテムだけれど
その時が来たら伝えることにしよう。




そして、主様にも一筆送ることにした。
これからの行き先について。