RECORD

Eno.183 苧麻(ラミー)の記録

手紙-カラムシからヘメロカリスへ



苧麻(カラムシ)から主様あるじさま(ヘメロカリス)へ、手紙を用意した。

どうやって届けたものかと思っていたが。
風の強い晩に、いつのまにか手紙がなくなっていた。

夜の精霊に頼んで手紙を取りに来たのだろうか。




手紙に記したのは、これからのこと。

主様あるじさまは、ハーデンベルギアの花を送って来ているくらいだ。
なんらかの手段で、今の僕のことを知っているかもしれないが。
それでも、連絡をしておいたほうが良いと思った。


もう、主様のいる世界には戻らないこと
彼女の世界へ行き、添い遂げるつもりであること


つまりは、人間の女の子と結ばれ、伴侶となると…

いざ文字にすると、恥ずかしいものだな…


なるべく今の状況を、僕が把握してる限りで丁寧に書いた。


◇◆◇


しばらくして、僕の鞄の中に、見慣れない白いスーツが入っていることに気付いた。

どう見ても主様あるじさまからの贈り物だ。

この『祭』の世界へ来てからいつも思うのだけれど
どうやって送ってきているのだろう。

まあ、伝わったは、伝わったみたいだけど


この白いスーツがヒトの世界で何を意味するのかは、僕も知っていた。
確か彼女も、ドレスを贈られたと聞いた気がする。
この白いスーツも、そのドレスと同じ用途で使うものだ。

デンファレの花が一輪お似合いの2人ですね、って祝福されてる、服に挟まっていた。
こういうところが主様あるじさまらしい。



気が早いけど…いや、そうでもないか。

彼女も、弟さんに
『義理の兄』って伝えるようだし


自分でも『伴侶となる』と書いたのだから
そして、彼女にもそう伝えている誓いの指輪を贈ったのだから
思えば当然かもしれない届け物が結婚祝いとなるのだろう


状況に心の準備が追いついてないのは、自分だけかもしれないなと、そんな気がした。