RECORD

Eno.5 ヘルツの記録

帰還:そして色々あって

〜とあるダンジョンを踏破した一行〜

「え〜、では今日はオレ、
 サンセットエルフのバラロースが音頭を取らせていただきます……」

「全100階ダンジョンの制覇!
 そして我らがリーダー、ヘルツの帰還を祝して!」

「乾杯!! お疲れさ〜ん!!!」

「イエ〜!!!!!」



「いや〜、戻ってきたヘルツがめちゃくちゃ強くなってて。
 前に置いとくだけで全ての障害を
 ノーダメージ突破してしまったから
 とんとん拍子で攻略できちゃったな」

「その割にたまに木の根とかにつまずいて痛そうにしてたけど」

「まさかあの筋肉装甲の効果が残るとは思わず
 私もちょっとびびっている」

「お土産もたくさん持って帰ってたわね。
 異世界に行ってまでバーベルやダンベルを何個も
 持って帰ってきたのにはちょっと引いたわ」

「かさばって邪魔だったな」

「皆ひどい。全部いただきものなのだぞ」

「だってあのチキンのおもちゃもバカうるさいし……」

「(ペパペヒャ!!!!!)(大抗議)」

「貰ったお菓子だって本当は私が独り占めするつもりだったのに
 皆がつまむからあっという間になくなっちゃったし……」



「祭典の世界ってどんなところだったの?」

「そうだな……一言で言い表すのはとても難しい。
 だが楽しいところだった。
 友と呼べる仲間もできたと思う」

「それならよかった!」

「送り出した甲斐もあるってものだぜ」

「別のパーティーと組むことになったって、
 今のお前ならうまくやれるよ」

「皆……、もしかして、
 今回の出向は、私を心配して?」

「ヒヒヒ。それプラス、
 いつも頑張ってるヘルツへの慰安も兼ねて、よ」

「ちなみにその腰装備は事前に用意していた
 呪いのパーティーグッズで宴会力云々は嘘だぜ」

「おい」



「……君たちの企てはわかった。
 その上で言わせてもらうが……」

「私は、このダンジョン限定で妻帯者ばかりを集めてパーティーを組んだ。
 それは人間関係のトラブルが嫌というのが主な理由だった……」

「しかし今……あの祭りの世界を経た今、
 目標を達成した今、改めて思うことがある」

「またこのメンバーで冒険がしたい。
 私も君たちのことを友としてもっと知りたいのだ」

「皆が家族との時間を過ごした後でいいから、
 再び集まってダンジョンに行かないか?」



「リーダー……!!!」

「そんなん断る理由ねえよなあ!?」

「それならいっそ、家族に紹介させて。
 うちの旦那、腕相撲相手を欲しがってるの」

「おっいいな!
 じゃあこの財宝を売っぱらってバギーでも買うか。
 皆の故郷を訪ねてマジェスティックUSAを縦断しようぜ」

「皆……!!」

「ヘルツの出身地にも連れてってくれよ」

「そういえばお前の地元ってどこ?」

「ここから北の方の……モストマスキュラー孤児院というのだが」

「えっっっ モストマスキュラー!?」

「M・USAをドラゴンやエイリアンから物理的に守っている……あの国防長官の出身の!?!?」

「そのお方、私の初恋のひと(ハート)」

「情報量が多いッ!」

「イーッヒッヒッヒ、楽しくなってきたじゃない」

「次なる冒険のため、今日は腹一杯食わねえとな!」



そうして彼は、
祭を全力で楽しみ、思い出をたくさん持ち帰り、
友との楽しい時間を大切に噛み締めるようになって、
大陸中に友達を作る愉快な筋肉として名を馳せるのでした。
めでたしめでたし(〜サンバのリズムと共に〜)


〜いいかんじのエンドロール〜











「いや〜食った食った」

「チョップってタン塩だけよくあんな食べられるわよね」

「うるせ〜、それよりもっと言うことあるだろ、

 ヘルツの素顔とか」

「……」

「……」

「黙らないでほしい」

「コメントに困る顔してるからだよ」

「ナイトに因縁つける資格ないわよ」

「兜被ってる方がよっぽど愛嬌あるぜ」

「私がイケメンだからって皆ひどくない?
 傷つく」

「どんなモンスターに襲われても無傷なのによく言うぜ」

「行こ行こ」
「ヘルツもさっさと兜に戻ってついて来いよ」「置いてくぞ」

「ま、待ってくれ〜」