RECORD

Eno.339 夢幻座長 リドルの記録

祭典世界のリドル【祭の後】


────そして




わたしは、現実もとの世界に戻りました

【リドル】として過ごした期間は、合計十一ヶ月程でした


「…随分と、長かったなあ」



わたしは、【リドル】に喰われずに済みました


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2024-03-31
────これはかつて、私が童話の世界Fairytale Sketchにいた時の記録────
 リドルの隠れ家、シャトー・メイズの応接間にて



私はあの時、考え事をしていた

「最近、気になることを聞いたのだ…
人が【喰われる】という現象について。」



といっても、バケモノに喰われるわけではない。

「では、何に喰われるのかというと...
演じている役に【喰われる】。」



その現象自体は、珍しいものではない。

長期にわたって劇で役を演じる者が、演じた性格に染まってしまう危険は以前からあった。
無論、演技ではあるのだが......


物事を学ぶのに「知識が無くとも型から入る」というやり方があるように。
何度も性格の型を演じているうちに、本来の自分を失い【役に喰われてしまう】危険

「正義の味方なら兎も角、悪役でそれをすると大変だ。

物語に悪役は付きものだがね、まさかの
【物語が現実の人間を悪に変えてしまう】
という事案が発生してしまうのだよ

何だかね、吾輩は古き頃から変わりゆく物語の世界を見てはいるのだが。最近はほんと、嫌な流れを感じるものでね」


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勿論、【リドル】は悪役ではありませんでしたが

わたしは、本当は【リドル】ではありませんし

もし、誰かが。【リドル】に【好き】を感じたのだとすれば、それは…私を愛してくれた方達がいたからこそであることもよく知っています

それにわたしには、やらなくてはいけないことが沢山あります

物語を綴るよりも、やらなくてはいけないことが

だから、もう。【リドル】にはお別れを

「ありがとう、楽しかったよ。リドル」



「そうか。吾輩も、幸せだったさ。最高に楽しかったとも。ありがとう」



「そういえば、わたし。ひとつだけ、あなたに喰われたところがあるかな」



「え。大丈夫かね…どこがどうなったのだ」



「前よりも姿勢が良くなったかも!だってあなたって。いつも姿勢が美しいんですもの」



「…そうかね。ふふ、それは良かった。その程度なら、ずっと喰われているがいいのさ」



「みんなも元気でいてくれればいいな。もう、話せないかもしれないけど」



「そうだな。きっと同じ空の下、何処かでㅤ────」




◆◇◆◇◆◇◆Thank you for PLAYING with me!!◆◇◆◇◆◇◆