RECORD
Eno.150 ユドハの記録
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楽しむ【たのし・む】
1 満ち足りていることを実感して愉快な気持ちになる。
2 好きなことをして満足を感じる。
3 先のことに期待をかけ、そうなることを心待ちにする。
4 富む。裕福になる。
「……だからオレの場合だったら、戦うことは好きなこと!
だから楽しめる! ……ね、ほら。カンタンなハナシでしょ?
闘技者なら多少なりとも昂りとか、高揚感?的なの……」
「……ワタシは」
「戦うコトは、好きではないよ」
「えっ」
「じゃっじゃあ、ご飯食べたり寝たりしたら良い気分にはなるでしょ!?
あ~美味しかったなあとか、気持ちよく寝れたなあとか!」
「ウウン……」
「生きる為に必要ってだけ」
「あまり、気にしたことはない」
「……重症ですなあ……」
「……そうなんだろうな」
「休憩を、入れてくる」
「ニンゲンの言葉は難しい……」
「は~い行ってらっしゃい!
共通語講師はコーヒー代プラスで引き続き応じてますよ!」
「……考えておく」
◆

「ウ……」「外は寒いな……」

(あれだけアツかったのに、すっかり冷えてきたと感じるのは……
オフシーズンでヒトが減ったからなんだろうか)

(乱闘、決闘、連闘……
闘技者たちが楽しんでいるけど、ワタシにはあれほどの熱量はない。
ただ食うだけの金を稼いで、追い出されない分の金と戦果を収めるだけで……)

(戦うコトは、身を守るための生存術だった。
恐怖と怯えと本能に任せたものを今更どうして楽しむことができるだろうか)

(楽しいだとか嬉しいだとか、ニンゲンほど表現する技術もなければわざわざ伝える必要もあまりないし、
生存に必要な感情以外、元から欠けているのかもしれない。
冷たい緑の血が流れる、冷血な……)
*スカッ*

「?」

(地面が……ない)

(……)

「ハ?」
*べしゃ*