ほしのきろく
──綺麗だったな、おほしさま。
いろんな場所を食べて、飲み込んで、分かって吐き出して…
海って随分と貪欲なんだね。
深海の底を未だ人は知らずにいるのに。
さらに謎を増やしてくんだ。
あたしは、あたしたちはその波にちょっとだけ飲まれちゃったのね。
海中深く、深海何メートルか。
そこにある深青は海の宇宙。
そこにあるのは落っこちてきた星々で。
それらは地上を見つめてるのかな。
なんてね。
うん、綺麗なものを見たよ、あたし。
────
ご主人にも見せてあげたかったな。
夜に星を眺めたことがあったの。
作りたての新しい街の中で、バルコニーから空を見たんだ。
きら、ちか、きら。
空の星より、街の明かりが眩しかったかもな。
そしたら、隣町の方がよく見えるんだけどね、って。苦笑いしてた。
「雰囲気は鬱屈としているが、暗いからその分空が見える」
「それはまた美しいものだから」
「見に行こうな、今度」
これはあたしの記録だけれど。