Eno.99 ティト

一人、海に問う

[島]、ぼくたちはその場所を[願いが叶う空間]と呼んでいます。
先輩たちが悪い人に使われないように監視しているんだ。
とても強い兆候があったから、先輩たちがやり残したことを達成するためにここに来たの。

聞いていた話から考えられる風景とは違って、
目まぐるしく天気が変わるから海に流されないように木の安全そうなとこでいるのも大変で、何回嵐が来ていたか覚えてないけど一緒にいてくれたみんなのおかげで、二つのテントから始まった野営地が完ぺきな基地になったよ。
願いが叶うって話は本当みたい。

出会ったみんなのかなえたい願いはわからなかったけど、思い思いに働いて乗り切ったことには変わりなくてそれぞれのお仕事がうまくつながって、一日目の夕方には調査隊の船が付いたんだ。
そのあともお天気は安定しなかったから、調査隊も流されないか心配したけど彼らは大丈夫だった。この[空間]でお仕事し続けている人たちだもんね。
何度も吹き荒れるサメ台風にも負けずぼくたちが乗ってくることを待ってくれていた。
島時間2日目の夕方にみんな帰路についたの。

そしてぼくは、
この[空間]ではじめてお友達を捌きました、みんなが生き残るため仕留めて放置されていたあの子を。
生きるって何かの命をもらってつないでいくことなんだね。
ほかにもたくさんの命がここで誰かに繋がれることを待っているけど全部を持って帰ることはできない。
ぼくのお仕事はここが悪い人達に使われないようにすること。

海の精霊さん、きみはこの役目に対して何を願っているの誰かに話してみてよ、
生まれて誰かの願いをかなえて消えていくだけなんて悲しいから。

誰もいない拠点で彼らと共に過ごす最後のご飯はすこししょっぱかった。
あのこの羽毛と、この空間に芽吹く植物たちを持って帰投します。