サイコロトーク:怖い話
「これは私の仕事の話」
「私は、服飾デザイナーとして仕事をしていたの。
お客さんとやり取りしたり、デザイン画を出したり、糸でチクチクしたり……
――ゼロから百まで、服が出来上がるまで全部するような
……まぁ、周りの一般人と比べたら少しだけ特殊な環境でお仕事していたわ。
ある日、お客さんとのやり取りのため、依頼人の家へと行ったんです。
その依頼とは『死装束の仕立て』……所謂、エンディングドレスを作る、というモノ」
「その家はとても広かったんだけど、そこにいたのは依頼人の一人だけ。
その人は若そうだったんだけど、彫が深くて外国の方なのかな?
同じ国に住んでいる人とは雰囲気が違ったの。
『亡くなった人の衣装を仕立てたい』
私はその亡くなった人の実寸(サイズ)を依頼人から聞いたり」
デザイン画を見せたりしていたら」
トントントン……
トントントン……
「外から、扉を叩く音がしたの。
私がそれに反応しかけた時、依頼人から制された」
『あの音は死者の音、あの音に気付いたと思われたら、一緒に死の国へ誘われるぞ』
「私は不思議に思いながらもその場に合わせて気付かぬフリをし
黙って依頼人の指定されたモノを作り続けた。
だって依頼人は外国の人っぽいし、文化が違うのかもしれない、って思ったからね」
「私は無事、その依頼が終わり……数日後、依頼者から手紙が来たの。
『衣装のお披露目に来てください』 要はお葬式に来てください、って手紙。
あまり気が進まないけれど、こうして手紙が来たくらいだし
お線香くらいはあげて帰ってこようと思ったわ。
会場について、まず目についたのはそのご遺体のお写真。
彫が深くて……外国人っぽいお顔。まさしくあの時の依頼者そっくりだったの。
……私は出席者に尋ねてみたら、私に依頼し『仕事を頼んでいる最中』に病院で亡くなっていた、と知ったの。
つまり……私が依頼者の家で、依頼者と会話している最中にね」