Eno.517 樋熊の日記

樋熊はクマのぬいぐるみを抱きしめた。

ヒグマルは自分の身に起きたことを理解できなかった。

かの勇者たちが自分たちの領地へ攻め入り、魔王城に丁度足を運んでいる最中でその動乱を聞きつけた。
ヒグマルもそこへ向かおうとしたが、気付けば彼女は謎の孤島にいた。
エゾデスにはない燦燦と照り付ける太陽、穏やかな海、越冬を気にせずとも良い気候。
オシャレ着では少々暑苦しく、そのままでは枯れてしまいそうな程に辛い、エゾデスとは異なる魔窟。
他のやんちゃなヒグマルであればすぐさま衣服を脱いで獣の四天王サマのようになりたがるに違いない。

ここには魔王サマがいる四天王サマもいる、四天王サマもいる、なぜか勇者たち人間もいる。
なれば同族のヒグマルはどこに行った。心配は……してはくれないだろうけど、せめて無事であって欲しい。


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