Eno.36 巳々 琉海の日記

典礼秘跡省アイバノの惑

 
端的に宣いましょう。
存じ上げません、『Semielザーミエル』の先を。

闘技の異界フラウィウスに因って契約が完了した後も、
我々スポンサーの――失礼。教皇庁の勅命、聖伐に倣い追跡を仕掛けるつもりでした。
『Semiel』に、我々の経由で譲渡した外世界渡航券に天写印を施していた筈ですが。

失敗です。結果として、『Semiel』は追跡を撒いた。由々しき事では御座いませんか?
我々の恩寵ぎじゅつに綻びを認めるか、或いは……『Semiel』の階梯を引き上げるか。
何れにせよ、お待ちいただければ――と思います。恐れながら。

熱心党に割れては、少なくとも私の首が飛ぶでしょう?
貴方のも。

聖伐・奉納省、または熱心党第七位、トマ=ギィ・ル・ルーさま。
痛い腹のゆえに、何卒御目溢しを。アァメン。


……さりとて、何処へ往きましたかね、『Semiel』。
まさか、『Semielサマエル』の名と云わんばかりに
天へ還った訳でもないでしょうに。

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実際のところは、海洋ジーランティスだ。

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………
……


約14体を認める。
迅速な脱出、または救難のために接触。
以後、違反者――巳々琉海――の皮を有効利用す。

非現実的状況ながら、協力的個体に恵まれる。良好。
引き続き、我が身の保全に努める。