遭難者 ②
《8年前 9月の終わり 薄暮の頃》
とある山の谷川、亡骸が1つとそれに手を合わせる人型の光が1つ。
「あいにく、命を2つ持って来てたりはしてないんだ。
そんな権限も無いしね。」
それどころか時間の余裕も無い。
今の姿は消耗が激しいから。
手短にこの世界風の弔いを行い、早速お勤めを始める。
「浸透」
少女の亡骸に入り込んでいく、人型の光。
「修復 同期 覚醒」
目立つ傷が塞がっていく少女の体。
平木 夕真(たいらぎ ゆま)
地球人 9歳 女……
その他諸々、事前に与えられた情報と同期する体の内容が同じ事を確かめつつ、
【わたし】のコントロール下で再び彼女の体は目を覚ます。
無事シンクロ出来たようだ。
「すー………はー………
テョ………ㇷ……」
呼吸はOK、発声は上手くいかない。
当然ながら、誰かとお喋りしつつハイキングする訳でもないので、今はまあこれでいい。
纏ってきたエネルギーだけでは、優先度低めの所までは治ってないと言うことは確認できた。
(回収地点に何かはあるはず……)
回収地点は山中の電波塔。
宇宙船が他の仕事で手こずらなければ、そこで明日の夜にピックアップされてお勤め完了となるはずだ。
まずは谷を抜けないと、と身を起こすと
手に引っかかるベルトの感覚。
(この子の持ち物か。まだ使えそうだ。中身もある)
地球のアヒルバトラー達……つまりアニメのキャラクターが描かれた水筒。
子供は水筒を振り回す生き物なので、格別丈夫に出来ているのだろう。
電波塔までは飲まず食わずでも行ける見通しだが、同調したての身体を動かすのに
水分の余裕がいくらかあるのは素直に嬉しい。
気持ちにも少し余裕が出来たのか、しっかりとした足取りで歩き出した。
とある山の谷川、亡骸が1つとそれに手を合わせる人型の光が1つ。
「あいにく、命を2つ持って来てたりはしてないんだ。
そんな権限も無いしね。」
それどころか時間の余裕も無い。
今の姿は消耗が激しいから。
手短にこの世界風の弔いを行い、早速お勤めを始める。
「浸透」
少女の亡骸に入り込んでいく、人型の光。
「修復 同期 覚醒」
目立つ傷が塞がっていく少女の体。
平木 夕真(たいらぎ ゆま)
地球人 9歳 女……
その他諸々、事前に与えられた情報と同期する体の内容が同じ事を確かめつつ、
【わたし】のコントロール下で再び彼女の体は目を覚ます。
無事シンクロ出来たようだ。
「すー………はー………
テョ………ㇷ……」
呼吸はOK、発声は上手くいかない。
当然ながら、誰かとお喋りしつつハイキングする訳でもないので、今はまあこれでいい。
纏ってきたエネルギーだけでは、優先度低めの所までは治ってないと言うことは確認できた。
(回収地点に何かはあるはず……)
回収地点は山中の電波塔。
宇宙船が他の仕事で手こずらなければ、そこで明日の夜にピックアップされてお勤め完了となるはずだ。
まずは谷を抜けないと、と身を起こすと
手に引っかかるベルトの感覚。
(この子の持ち物か。まだ使えそうだ。中身もある)
地球のアヒルバトラー達……つまりアニメのキャラクターが描かれた水筒。
子供は水筒を振り回す生き物なので、格別丈夫に出来ているのだろう。
電波塔までは飲まず食わずでも行ける見通しだが、同調したての身体を動かすのに
水分の余裕がいくらかあるのは素直に嬉しい。
気持ちにも少し余裕が出来たのか、しっかりとした足取りで歩き出した。