Eno.15 トト・アズハル・イルファンの日記

 僕は、夢を、夢を見ている。






床に転がる僕を見下し談笑する人間たち、あぁ、なんて意地の悪く醜い顔なのだろう。

頭の中に響くあの下卑た笑い声・・・・・・、痙攣する体がそんなにも面白いか?

うまく呼吸ができなくて嫌な汗が全身を流れ伝う。
 

死ぬ、僕が死ぬ?








 否、これは夢だ!

 だって、今もこうして僕は生きている。

 そのはずなのに。



ぐらり、
     視界が回る。







眼下に広がるは見事な庭園、そして僕はなぜだか宙ぶらりん。

どうして僕は窓からこんなにも身を乗り出して……?

あぁ、背後からあの、あの酷く不愉快な笑い声・・・・・・・が聞こえる!

僕の命を笑う声が!

やめろ、
 やめろ やめろ!






 これは、夢だ。

 僕は、この風景を知っている。

 それでもこれは、
夢なのだ!


ぐらり、
     視界が回る。










 パチパチ……


 何か焼ける匂いがする、何が燃えている?

 そういえば誰かが肉を焼いていた、ような、気がする。

 僕は、そう、あの無人島に……!







でも、この光景を僕は、僕は知っている。

 ゆっくりと視線を下げる。

そう、燃えているのは、僕。

ニタニタと喜びの表情を浮かべ、舞台でも見るように楽しげな民衆の姿。

なんで、どうして?



……あぁ、みんな、その目で僕を見るんだ。







 僕は、ただ……



ぐらり、
     視界が回る。









 「トト、何も怖いことなんてないよ」
 
 「きっとここにいると思ったんだ、さあ帰ろう?」


やめてくれ、そんな優しい甘い声を聞かせないでくれ。

お前は、お前はここにはいないのに!

どうしてこれだけが本当に夢なのだ!








僕は、まだ夢を見ている。