さいしょの1ページ ~ 不思議な島と、人たちと
知らない土地、知らない海、そして知らない人たち。
知らないものだらけの中ではじまった、先の見えない大冒険。

砂浜を渡り、岩場を渡って、森を駆け。
危うく迷いかけたりもしたけれど、なんだかんだで乗り越えて。


拾い集めた素材を合わせて、落ちてた器で水を汲み上げ、魚や木の実を焼いては食べて。
飲み水の作り方なんて、この場所に来るまで知らずに生きていて。


いつも通りの当たり前が、ここではまったく当たり前じゃない。
そんな生活も、最初はなんだか楽しくて。


それでもやっぱり、元の生活が恋しくて。


誰も知らない島ではじまった、不思議な不思議な大冒険。
長くて短い7日のうちの、最初で最後の1日目。

今は遠くなってしまった日常に思いを馳せながら、少年はまどろみの海へと漕ぎ出していく——。
知らないものだらけの中ではじまった、先の見えない大冒険。

「なんか、ゲームの世界に入っちゃった気分だなー……」
砂浜を渡り、岩場を渡って、森を駆け。
危うく迷いかけたりもしたけれど、なんだかんだで乗り越えて。

「イザベラのねーちゃんが探しに来てくれなかったら、あの時はちょっとだけやばかったかも」

「ねーちゃんは自分のことを吸血鬼って言ってたけど、ゲームに出てくる吸血鬼とは全然違ったなー。
他の吸血鬼も、本当はねーちゃんみたいにいい人なのかな……?」
拾い集めた素材を合わせて、落ちてた器で水を汲み上げ、魚や木の実を焼いては食べて。
飲み水の作り方なんて、この場所に来るまで知らずに生きていて。

「そういえば、今ある飲み水はクーが”じょーりゅー”してくれたんだっけ?
みんなで使う書き置き用の紙を置いてくれたり、色んなところでお世話になってる気がする!」

「……オレって、狼に見えんのかな? 犬よりかっけーから、本当はそっちの方がいいんだけどなー」
いつも通りの当たり前が、ここではまったく当たり前じゃない。
そんな生活も、最初はなんだか楽しくて。

「そういえば、”めっせんじゃー”ってなんなんだろ。
後でレナードのにいちゃんに聞いてみたら、教えてくれっかな?」

「最初はオレのことを怖がってた気がしたけど、狼とか嫌いなのかな。
……起きてる時に、後ろから「がおー!」って脅かしてみたら、怒られっかな?」
それでもやっぱり、元の生活が恋しくて。

「リリルカって、なんかゲームのお姫様みたいなんだよなー。
うぇあなんとか? とか、せいどーきかん? とか、よくわかんねーこと言ってたし」

「一人で外に出たことないとかも言ってた気がするし、よく寝てるのは疲れてるからなんだろーなぁ。
……今度、起きてる時に色々聞いてみよっかな?」
誰も知らない島ではじまった、不思議な不思議な大冒険。
長くて短い7日のうちの、最初で最後の1日目。

「——ちゃんと家に帰れたら、じーちゃんの作ったカレーが食べたいなぁ……」
今は遠くなってしまった日常に思いを馳せながら、少年はまどろみの海へと漕ぎ出していく——。