きれいなはねのデザイナー 2
たどりついたいえは おしろほどりっぱではありませんでしたが
きれいなはなが にわにさいていて とてもすてきなふんいきでした。
いまさらになって カインはとてもきんちょうしてしまって、
とびらをたたくてが ふるふるとふるえてしまいます。
「あの こんにちは ぼくはカインです!
あなたの おてつだいに きました!」
ちいさいノックのおとを ごまかすように
いつもよりおおきなこえで とびらのむこうにはなしかけます。
するとすぐに はい とこえがきこえて とびらがひらきました。
「やあ、ようこそ。とても長い道のりだったろう。
辺境に住んでいてすまないね。まずはお茶を振る舞おうじゃないか。」
とびらをあけてでてきたのは とてもきれいなはねのもちぬしでした。
きらきらとひかりをあびて にじのように あわく ひかるはねは
おうさまのもつ はねよりも きれいなのでは とおもうほどでした。
おどろいてへんじもできないカインに そのひとはやさしくわらって
きんちょうしなくていいよと いってくれます。
けれども じぶんのはねなんて くらべものにならない、
うつくしいはねのもちぬしに きんちょうせずにはいられません。
じつは おうさまのつぎに じぶんのはねは
きれいなのではと おもっていたカインは ひどく はずかしくもなりました。
あんなにも たのしげに はばたかせていたはねは
いまではすっかり たたまれて おとなしくしています。
「私はフィルマ、ご存知の通り王お抱えの翅飾り職人さ。
次の新作を作るために手が足りなくてね……急に呼びつけてしまって、
驚いただろう?君にも用事があっただろうに。」
だしてくれたあたたかくて あまいおちゃを のみながら
カインはふるふると くびをよこにふりました。
ずっとあこがれていたので あなたにあえてうれしいと
すこし うわずったこえで ことばをつけたします。
すると そのことばに フィルマは ありがとうと うれしそうにわらいました。
おもわずごくりとのみこんだのは あまいおちゃだったのか
それとも ちがうものだったのか そんなことはカインにはわかりませんでした。
けれども フィルマのかおをみると ふしぎと ぼうっとしてしまいます。
このままでは おてつだいにならないぞと あわててカインはめをそらします。
せっかくえらんでもらったのに クビになってしまうのは いやだったからです。
こうして ときおり あわてるようにフィルマから めをそらしながら
ひっしに かれのしごとをてつだうひびが はじまったのでした。
つづく