Eno.518 リリルカ・カラコルカの日記

曇天のリコレクト

雨の匂いがする。
こんな天気の日には、外出はおろか、窓も開けなかったものだから、
しずくが草木を打つ音を聞くのだって、いつぶりだろうか。

それだけじゃない。
同年代の子どもたちと話すのも、
私を平べったい目で見ない大人たちと話すのも、
いったい、いつから。

(サクヤ。人狼……ではないのでしたわね。
 最初は警戒もしたけれど、……いつだって元気で、励まされますわ)


(警戒といえば、イザベラだってそう。
 けれど私の知る吸血鬼とは何もかも違う、……頼れるお姉様)


(レナードだって、そうですわ。
 率先して力仕事をこなしてくれるし、雨水を飲んだ私の心配まで)


(……クーの性別のことは、
 ちょっぴり驚きもしたけれど。素直で働き者で、とってもいい子)



みんな、とても素敵な人たち。
こんな状況でも、皆が頑張れば、どうにかなるような気がしてくる。
誰も彼も誠実で、裏のない、……。


(ああ、そういうのも)