Eno.49 七五三兄妹の日記

Q2:旅先の宿は?

結木村がある村へ、連絡船に乗って向かう途中。
大波に攫われ、たどり着いたのはトロピカル因習アイランド島──

「同じように結木村の人たちが流れ着いているし、
 ちょっぴりロケーションが違うけれど、概ね目的地に着いたね」

「キャンプみたい、なの!」

「そうだね。手紙によると、七日に一度くらいで船が通るようだから、
 長くて一週間のキャンプをしに来たと思おうか」


幸いにも人手は多く、手紙に従って即席の道具も拵えられる。
のんきな兄妹も、手持ちの道具を確認してみた。

 * * *

無事だったパラソルを立てて休憩場所にしたり、夜に向けて焚き火台を作ったりして一休みしていると、
テントと寝床が準備されたり、祠や蔵が建ったりと、村っぽい雰囲気になりつつある。
さらには温かいお風呂もできて、キャンプ場と言うより宿場町が出来上がりそうな気がしてきた。

「日が暮れる前に明かりくらいは、と思っていたけれど。
 予想以上に快適に過ごせそうだね。これもオニガミさまの加護かな」

「おにがみさま、ありがとうなの!」

「海と山の恵みもたくさん貰ったことだし、明日、明るくなってから、僕たちも祠にお参りしようか」

「おまいり! おれい、しにいきたいの!」


今からワクワクしているふぃなの頭を、すとらはぽんぽんと撫でてから、

「それじゃあ、今夜はもう寝よう。
 夜更かししていると、オニガミさまに怒られちゃうよ」
「わわわ…おやすみなさいっ」


すっかり結木村の伝承を知った調子で、子供を寝かしつける常套句を使う。
お腹を冷やさないように、布団代わりの布をかけて。
しとしとと降る雨音を聞いている内に、やがて眠りの底へ。

「もしかして、明日にはテントが民宿になるのかなあ」