眠たい

……
『眠たい』な、と思った。
この島に流れ着いてから、まだあまり多くのことは
できていない。けれど
お腹は空くし喉は乾くし、疲れもする。
異能のないここでは、それがなんとなく、
いつもより強く感じる。
けれど、眠気は何となく『心地よい』と思った。
この島に1人で流れ着いていたら、
そんな事は考えなかったかもしれない。
御手洗風弥は俺の親友だ。
何年か前、俺のことを助けてくれたのが始まりで。
以降、隣にいても遠くに居ても、
俺のことを気にかけてくれている……というところ。
しばらく会っていなかったけれど、
風弥はあまり変わりなく、今こうして同じ島にいる。
1人で戦っているわけじゃない。
というだけで、『心』は随分と落ち着くらしい。
俺の知ってる風弥はいつも……『余裕』がある。
そんな顔をしていたように思うけれど、
ここでは流石に『疲れた』顔も見せた。
寝ているところを見たことはあったかどうか、
記憶が無い。この島で初めてかもしれない。
風弥はここで、生きてるんだとその顔を見て思った。
そして、俺も。
これは、『都合の良い』夢じゃないんだろうな、と。