Eno.553 ベテルギウスの日記

2日目

豊富な人材と豊富な資源があるからか、
無人島だったはずの場所がめきめきと文明を手に入れている。
元居た場所のような枯れた土地ではないから、のびのびと発展出来るのはいいことだ。
石臼、窯、ドラム缶風呂まであったか。
とはいえ、かなり無防備に見えるから、俺の腹がムズムズする。

簡単な野営程度でも割と目ざとく見つかるものだがな。
とはいえそこまでの外敵もいないらしい。
夜を歩くが今まで襲撃らしいこともなかったからな。
とはいえ落ち着かんから勝手に防備を造らせてもらおう。

老婆と諸々と話をした。
奴はなんというか……怪しげだが妙に親切だ、怪しげだが。
元々異世界からの流れ者らしい、おそらく元の世界とは文化レベルが違うのだろう。
俺のところは一周回って似たようなものだからな。
近代的なところはあるが、やっていることはたいしてここと変わらん。
ありあわせのものをかき集めて、かろうじて人が生きれるだけの土台をつくる。
とはいえ……数百年もやっていたら流石にいろんなものが軌道に乗ったが。

しかし奴は、直前まで何等かと死闘を繰り広げていたようだ。
見たところお年を召していたようだが、そこまでの人材を戦線に投入するものだろうか。
……まあ、クローン技術が一般的なシェルターとは事情が違うか。
とはいえ何となく死にたがりなのが気になる。
我が主ならばこういう時、何と声をおかけになるのだろうか。
聖典が海水でおしゃかになったのが残念でならない。