Eno.691 明日の分霊の日記

無題

何故、飽き足らなかったのか。
その理由に気づく前に、彼は鬼になってしまった。


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喋りすぎたかなーーー!!!???

夜更けの海岸。
その中でも一等高い岩の上にしゃがんで、オルドは両頬を揉んでいる。

自分が我慢すればいいや!空腹だってちょっとくらい平気平気。そう思ってたら、ボク以外にも同じことを思ってる子達が四人。よく聞けば腹は満ちてても喉が渇いている子もいた。

飢えは苦しいものだ。結界の国において飢餓は無縁だったけど、満たされないことを我慢し続ける苦しさは知っている。
おしとどめて、押し込めて、その先になにが起こり得るかを知っている。
……ような、気がする。

「……ボク、こんなに記憶力なかったっけ」

そういえばサメの話の時もそうだ。結果の国に、“ サメが飛び回るような空はない “。
でもボクは、その様を経験として知っている。嘘じゃない、本当だ。

加減が分からない。

静かにするのは正直耐え難い。会話してる限り、ボクはボクを見失うことはない。……無音だと、まるでひとりぼっちみたいだから。

もうやりたいだけやりたい。それこそ、ひとりとひとりでランデブーみたいに。ボクが見て、ボクを見る、あなたと2人。
そんな、そんな二人きりが………………
……でもそれが迷惑になる事も知っている。
そう理解している。
その理解が、ボクを人に引き止めている。
何故だかそう、知っていた。


まもなく、雨が降る。