Eno.1014 漢升の日記

ミルミカ族について②

蟻から進化した人類であるミルミカ族ですが、その過程で地球上の蟻にはない特徴を幾つか獲得しています。

・書肺
書物のように組織の薄片が積み重なっている肺、なので書肺。組織の薄片には血リンパが流れており、横隔膜の役割をする筋肉によって書肺に空気を出し入れすることで呼吸を行う。ミルミカ族が独自の進化で手に入れた“肺”であり、これのお陰で呼吸効率が著しく強化、知性化の一端を担ったとされている。ミルミカ族の気門は胸部の上と腹部の付け根上部に合わせて2対4門あり、雨や土が入らないよう、筋肉で可動する小さなフタがついている。現実ではサソリやカブトガニなど、鋏角類に見られる機構。書肺の獲得により呼吸が効率化したため、現在の二対まで減ったものと推測されている。

・鳴管
気門と書肺の間を繋ぐ、言葉を発するための器官。筋肉によって振動させられるようになっており、その振動を上述の書肺に通して反響増幅、気門から音を出す、という方式を取る。これは鳥類の同名器官と仕組みが似通っており、つまるところ彼らは「囀る」ことで声を出している。気門のフタも発音の役に立つ。
ただしあまり発達していないのか短く、その分人間では殆ど聞き取れないような甲高い声となる。彼らの間では聞き取れているらしいので、単にメリット足り得るのかもしれない。
アッティラ族は鳴管と蓋の筋肉がよく発達しており、オウムが喋るのと同じように、人間と同等のレベルで言語を操ることができる。

・フェロモンと言語を用いた「ミルミカ語」
フェロモンによって行動が制御されるアリから発展して、彼らは追加で言語を使うことでより詳細な指揮を行う。例えばアリは警報フェロモンによって狂奔状態となり突撃してしまうが、ミルミカ族は言葉で「待て」ができる。大雑把な指示をフェロモンで、細かい指示を言葉で行うことで成立しているため、「欠落した語彙」が非常に目立つ。
フェロモンと言葉、2つ合わさってミルミカ語なので、他種族による習得は困難と言わざるを得ない。下級の個体と会話が通じないことも珍しくない。他種族と交流を持つネストの場合、高度個体がその種族の言語を修得、窓口となる。
また、そのフェロモンの出し方も、後ろに伝えるだけの一次元的なものだけでなく、空気中に放散、長距離へと伝達を行う二次元的なものも獲得している。