Eno.101 フィルマの日記

きれいなはねのデザイナー 1



とおいとおいうみのはて あおくかがやく きれいなみずのうえに
おおきなきにのみこまれるようなかたちで そのくにはありました。
じゅうにんたちはみな せなかにうつくしいはねをはやし
あさは ひのひかりを そのはねに きらきらとあびせて、
よるは ほしのあかりを やさしくはねに またたかせて、
おだやかで うつくしい しあわせなくらしを おくっていました。

くにをおさめる おうさまは だれよりもきれいなはねをもっていて
そのはねを よりうつくしくさせる きんのいとのかざりを つけていました。
じゅうにんたちは とうぜん うつくしいはねをもつ
おうさまを したってはいましたが それいじょうに
そのはねかざりを つくるものに とてもつよい あこがれをいだいていました。

そんなくにでくらしていた ひとりのじゅうにんである カインは
おうさまほどではなくとも とてもうつくしいはねを もっていました。
そんなかれは あるひ おうさまから ひとつおねがいをされました。

「この国の端に、この翅飾りを作っているデザイナーが住んでいる。
 お前はそこへ行って、彼の手伝いをして欲しい。」

カインはおどろいて おもわずとびあがってしまいました。
それはだれもがあこがれる すてきなしごとのしょうかいだったからです。
すぐにカインはうなずいて そのひのうちにデザイナーのいるばしょへ むかいました。

「どんなひとなんだろう どうしてぼくなんだろう」

ドキドキとたかなるむねと うれしくておどりだしたくなるきもちを おさえて
くにのはしまで カインはいそいで とんでゆきます。


とちゅう はねのもたないものに どうしてこんなところにいるのかと きかれました。
くにのはしのほうには こうしてはねをもたない こくみんとはみとめられない、
うすぎたないものが すんでいるのです。
ふだんであれば ちっともくちなど ききたくないところでしたが、
すれちがうひと ぜんいんに じまんしたいくらいだったカインは

「あのゆうめいなデザイナーのおてつだいにえらばれたんだ!」

と はねをもたないものにも おしえてあげました。
それをきくと はねをもたないものも ひどくおどろいて
すごいすごいと カインをほめたたえます。

すっかりきぶんがよくなった カインは さらにうれしくなって、
いつもよりも ずっとかるいきぶんで そらをとんでゆくのでした。
さて、 デザイナーのおうちまで あとすこしです。



つづく