Eno.378 白波の眷属の日記

ささやき 3

小屋に落ちている貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。

「島で出会った子たちのこと、
 ほんのちょっとだけわかってきた……かな?」



「鬼の子の望みをきくことができて、
 ともだちにもなれて、よかったなあ。もっと鬼の子のともだちがたくさんふえたらいいな」



「ねこの子は、拠点の寝床をつくってくれて
 こころよくやさしいことばをくれたし」



「ウオヌマツキジは漁師さんにゆかりがあって、おいしいサメをくれて、みてるとあんしんする。
 ぼくはかわりにどくのキノコをあげちゃったから、はんせいしきりだけれど……」



「くらげちゃんはかわいいねえ。
 こっそり、いろいろと島のことをてつだってくれているんだよね」



「エリはあかるくて、でもすごくしっかりしているよねえ……
 気づいたらともだちになっていたんだよ。うれしいなあ!」



「ツムギはしごとがはやくて、すごくたよりになるなあ。
 ものの例えじゃなくて、ほんとうにすごくしごとがはやいんだよねえ」



「夢飼いは木の実にくわしくて、度胸もすごくあるんだねえ。
 うさぎをさばくのもあざやかだよ。けががはやくなおるといいけど……」



「ナミバタハッカ、ものしずかだけど、すごいものをたくさんつくれるよ。
 あの窯でできたなにかおいしいもの、たべてみてほしいな」



「呼び名のわからない子も、だんだんおはなしできたらいいな」
「みんなのためにぼくにできること、なにかさがしたいね」