誰かの記憶1
もうずっと、長いこと忘れていた記憶だった
あの日から百幾年、当時の村の風景ももはや曖昧で、そこに暮らす人々も、
肉親の面影も朧げにしか思い出せない
ただあの日、冬至の日の暗い夕暮れ時
私は共を連れず独りで森へ入った
たったそれだけだった
森に飢えた吸血鬼が潜んでいた
赤い色が散って、…痛かっただろうか、忘れたが
凶行が終わった後、日の落ちた森の景色が嫌によく見えたことは覚えている
それからのことは少し曖昧で
聞きたくないことも聞いたし、見たくないものも見たような気がするが
とにかく私は村に帰ることは出来なくて
望まずに与えられたものを受け入れざるを得なかった
…………
サングラスを外して小さく息を吐く
自分の故郷にさえ拒まれた者に何ができるだろうか
随分と買い被ってくれたものだ
あの日から百幾年、当時の村の風景ももはや曖昧で、そこに暮らす人々も、
肉親の面影も朧げにしか思い出せない
ただあの日、冬至の日の暗い夕暮れ時
私は共を連れず独りで森へ入った
たったそれだけだった
森に飢えた吸血鬼が潜んでいた
赤い色が散って、…痛かっただろうか、忘れたが
凶行が終わった後、日の落ちた森の景色が嫌によく見えたことは覚えている
それからのことは少し曖昧で
聞きたくないことも聞いたし、見たくないものも見たような気がするが
とにかく私は村に帰ることは出来なくて
望まずに与えられたものを受け入れざるを得なかった
…………
サングラスを外して小さく息を吐く
自分の故郷にさえ拒まれた者に何ができるだろうか
随分と買い被ってくれたものだ