Eno.22 妖精の日記

妖精回帰:氷山の隙間

 
 
 ある日気づいた。薄表の上を『光』が通り過ぎていくことを
 『時間』という区切りで会話しようとしていた。
 同じ顔のやつに聞いても話が通じない。眠い、眠くない。
 そんな話ばっかり。同じ話題を深掘りせず連想ゲームのように
 次々と別の言葉を紡いでいく同じような見た目のやつらが
 とてつもなくバカバカしいもののように見えた。

 時折やってくるやつらはぼくと他の区別がつかないと
 知った時、ものすごく、ものすごく落ち込んだ。
 けれど違うと言っても説明ができない。もどかしかった。
 しばらく誰とも会わず、一匹で生きているといつのまにか
 『はぐれ』と呼ばれていた。こりゃあいいと思った。
 キミたちとぼくは違うんだ。それが呼称になったならいいことしかない。

 『はぐれ』と名乗っていると、大きさの違うニンゲンがやってきた。
 氷海続きで迷ったんだと。他大勢が面白がるのを見ていたら、大きい方と
 目があったんだ。一瞬だった。絡まれたくなくて目を逸らした自覚があった。
 のに。


 「道案内は、アレに頼もう。」


 はっきりと、ぼくを指してあいつは言ったんだ。