妖精回帰:氷山の隙間
ある日気づいた。薄表の上を『光』が通り過ぎていくことを
『時間』という区切りで会話しようとしていた。
同じ顔のやつに聞いても話が通じない。眠い、眠くない。
そんな話ばっかり。同じ話題を深掘りせず連想ゲームのように
次々と別の言葉を紡いでいく同じような見た目のやつらが
とてつもなくバカバカしいもののように見えた。
時折やってくるやつらはぼくと他の区別がつかないと
知った時、ものすごく、ものすごく落ち込んだ。
けれど違うと言っても説明ができない。もどかしかった。
しばらく誰とも会わず、一匹で生きているといつのまにか
『はぐれ』と呼ばれていた。こりゃあいいと思った。
キミたちとぼくは違うんだ。それが呼称になったならいいことしかない。
『はぐれ』と名乗っていると、大きさの違うニンゲンがやってきた。
氷海続きで迷ったんだと。他大勢が面白がるのを見ていたら、大きい方と
目があったんだ。一瞬だった。絡まれたくなくて目を逸らした自覚があった。
のに。
「道案内は、アレに頼もう。」
はっきりと、ぼくを指してあいつは言ったんだ。