【2 嫌いなもの】
馬鹿が、嫌いだ。
見ていて、苛々する。
どうしてみんな、お人好しなの?
どうしてみんな、自分を顧みないの?
馬鹿なの? 馬鹿なんだろうな?

「……はぁーあ」
思わず溜め息が漏れてしまうよ。
馬鹿が、嫌いだ。
僕は、馬鹿にはならない。
僕は聡い子だ、そうだろう?
聡い王様なんだ、そうだろう?
賢く在れ、強く在れ。
王というのはそういうものだ。
だが、王は寛容で誠実でも在らねばならない。
されど僕は嘘吐きで。
この嘘は、墓場まで吐き通すから。

「……誠実になれぬのなら、せめて、賢く」
お父様が望んだように、
演じて、演じて、演じて。
それが「僕」なんでしょう? ねぇ?
僕は道化の──様!