06.嵐
数年に一度と騒ぎ立て、過ぎ去れば何事もなかったかのように。
また同じように騒ぐ―
台風が来る時期の風物詩さ。ここに来るちょっと前からほかのことでも「台風が来るぞ」と同じぐらいいろんなことを騒ぎ立てるようになっちゃった頃だったな、父さんが空間収束の研究を始めたのは。
降りしきる雨、なり続ける風の中ちょっとだけ浜を見に行ったよ。
本来なら安全な場所でじっとしているべきなんだけど、こういう時に神隠しに会いそのままいなくなった人の話を父さんの研究仲間から聞いたことがあるから、新しい人が流れ着いていないか見るためにね。
何一つ変わりない永遠と続く水平線と真っ黒な空だけだった。
そういえば、時々浜でおいしいぶどうを拾うからザガミくんが作ってくれた石臼で絞ってみたんだ。予想以上にうまく絞れたから頑張ってくれているトト兄さんにあげようと思ったら、見たことがなかった気がする女の人がいたんだ。名前はグレーさん。
疲れているようには見えなかったんだけどなんかこう…
[気]が乱れてるような気がしたから声をかけてぶどうジュースを振る舞ったんだ。いい笑顔だった。
もしかして、ぼくの暮らしていた世界よりもっと先の時代、文化から来た人なのかな。
また同じように騒ぐ―
台風が来る時期の風物詩さ。ここに来るちょっと前からほかのことでも「台風が来るぞ」と同じぐらいいろんなことを騒ぎ立てるようになっちゃった頃だったな、父さんが空間収束の研究を始めたのは。
降りしきる雨、なり続ける風の中ちょっとだけ浜を見に行ったよ。
本来なら安全な場所でじっとしているべきなんだけど、こういう時に神隠しに会いそのままいなくなった人の話を父さんの研究仲間から聞いたことがあるから、新しい人が流れ着いていないか見るためにね。
何一つ変わりない永遠と続く水平線と真っ黒な空だけだった。
そういえば、時々浜でおいしいぶどうを拾うからザガミくんが作ってくれた石臼で絞ってみたんだ。予想以上にうまく絞れたから頑張ってくれているトト兄さんにあげようと思ったら、見たことがなかった気がする女の人がいたんだ。名前はグレーさん。
疲れているようには見えなかったんだけどなんかこう…
[気]が乱れてるような気がしたから声をかけてぶどうジュースを振る舞ったんだ。いい笑顔だった。
もしかして、ぼくの暮らしていた世界よりもっと先の時代、文化から来た人なのかな。