ささやき 4
小屋に落ちている貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。





「ぼく、きょうは不調になっていて、
嵐の備えのお手伝いがあまりできなかったんだけど……」
「やすんだらすっかり治って、いいかんじのサンドイッチもつくることができたよ。
ウサギをくれたナミバタハッカと、カゴの材料をくれた鬼の子のおかげだねえ」
「ひとの子や、ひとじゃない子のよろこぶ顔って、みていたらほんとうにうれしくなる。
ずっとみていられたら、きっとしあわせだろうねえ」
「嵐は風がつよくて、雨もこわいくらいふってて、雷もすごかったけど
ふだんは森にいた子も来てくれて、みんなでじっとしていたから、ぜんぜんこわくなかった」
「たまーに、だれか嵐のなかにでていって、ボロボロでかえってきたけど……
ぼくもいちど出たけど……
まさか、あんなにすごい嵐のなかにでていくはずがないもの。きのせいってことにしておこう」