Eno.1014 漢升の日記

2日目⑤

嵐が去り、雨模様。嵐の中に繰り出しては怪我をする者が後を絶たず、てんやわんやとしていたようでござる。
その後は人々は料理に勤しんでいたようで、色々と置かれていたのでござる。そのために使うのか海水が山程置かれていて飲用の水がなかったので、拙者が汲んでおいたでござる。

生で肉や果実を齧っていた元の生活とは雲泥の差、この贅沢に慣れた後、元の巣に戻ってうまくやれるか心配でござる。



そうそう、拙者達アッティラ族は基本的には他の人種からは煙たがられる存在でござる。
姿形も価値観も合わない上、“人攫い”と言われるからでござるな。
拙者に言わせれば人攫いなどとんでもない。人間達はしょっちゅう棄民をするではないか。捨てたものを拾って何故糾弾されなければいけないのか理解に苦しむでござるな。

そうして連れて行った人間達は、拙者達ではできないこと、即ち炊事や鍛冶に従事させているのでござる。

ただ、こうした人間達は食事もなるべく面倒を見ていても自殺してしまったり、或いは狂奔して逃げ出そうとしたりすることも多く、結果として寿命が短くなりがちでござる。三賢曰く、「人間は陽の光を浴びられない生活に耐えられないのよ」とのこと。

とはいえ、外に人間用の囲いを作ると野生動物に襲われるし、脱走のリスクもより高まる。何より拙者達は掘って作るのには慣れていても、平たい大地の上に積んで作るのには慣れていないでござる。

今回の生活を通して得た経験は、その辺りに活かせるかもしれぬなぁ。拙者達も好き好んで人間を虐待しているわけではないのでござる。