Eno.518 リリルカ・カラコルカの日記

泡沫のリンガベル

嵐の夜に、夢を見ていた。


……そんな大変な時に、寝こけていたのは申し訳ないけれど。
疲労と不安が、きっと限界に達していたのだろう。


あの日の夢。
そう、こんな風に嵐がやってきた日のこと。

今よりもっと幼かった私は、
窓から見える木がぐにゃりと曲がっているのが面白くて、
外に出たいと駄々をこねたっけ。

(そう、これがあったから雨の日は窓を閉められるようになったのだ)


あまりに我儘を通そうとするものだから、
それがシャムロックの気に障ってしまって、
それで──……。


……。


……岩場で怪我をした。
隠そうとしたけど、イザベラにバレてしまった。

治療道具を無駄にするより、私の命が脅かされるほうがいけないと。
みな生きて帰るための協力に、資材は惜しまないものだと。


(ああ、きっと。そうなのだろうな)