Eno.378 白波の眷属の日記

ささやき 5

小屋に落ちている貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。

「きょうは、すごくさむい日だったね。
 ぼく、ひとの子よりつらい場所でもへいきだとおもうけど、それでもさむかった……」



「あったかいお湯をたくさん沸かしてくれた子がいて、ほんとにたすかった。
 エリがひろくてきれいな岩風呂をつくってくれたから、はいってみたの。
 最初はあつくてびっくりしたけど、さむかったから、ちょうどいいお湯だったよお」



「それから、ウオヌマツキジとラピスがすごいごちそうをつくってくれたんだ!
 おしゃれなひとの子がテーブルをおいてくれて、みんなで食べられてよかった。
 だれかがつくる料理って、あんなにも温かくっておいしいんだねえ。
 いまいちだった天気も朝にははれて、いい気分になっちゃった」



「ずっと、きょうみたいだったらいいのに」



「…………」



「えっ?
 この島、ほんとうにしずんでしまうのお……!?」