妖精回帰:目覚め
ニンゲンとぼくの旅はなかなか有意義なものだった。
にひきじゃなくてふたりという区切りをするのだとか、ニンゲンといっていたものは
おおよそ腕がふたつ、足2本でたつ生き物の大まかな括りで、ひとりはニンゲンとは違うとか。
海中と地上の違い、食べ物やムラ、そこにあるルールとか、アンモクとかそういう『縛り』。
夜がくればぼくが寝ている間のことをふたりが話してくれて、言葉を学んだ。
ただ楽しかった。何度も夜と朝が来て時間が過ぎていって。
⋯そして、ぼくはすぐしんだ。目が開けられないことや、体が動かなくなって
「お疲れ、おやすみ」といわれてしんだ。それが『老化』だったことは3度目の人生で気づいた。
どうやらぼくは、転生するらしい。
3年。頑張れば3年と半年。
それが『妖精』の最大寿命。
ケガ、病気、過労でまあまあ前後するが、『いつも妖精に転生する』イレギュラー。
転生するまでの間はランダム。1年後だったり、10年後だったり
制御できないものの⋯あの人は、ぼくを必ず一番に見つけてくれる。
最近では手の中で目覚めるのだけど。
「卵のときからぼくが生まれるって
わかってるのは流石ぼくの主だよね~」
「勘じゃから時々外れる。」
「もぉ~~っ!」