故国のスペクトル
シマに漂着して、3日が経った。
順調すぎるくらい、順調なのだろう。
無人島に流れ着いたとは思えないほどに、
住居も、食糧も、水も、安定しつつある。
遂には、娯楽にまで手が届くかという始末だ。
油断はできないけれど、安心はしていいだろう。
……このシマには、全てが無かった。
大きなベッドも、お風呂も、豪華な食事も、身の回りの世話をしてくれる従者も。
今は。
テントの寝床や、ドラム缶のお風呂や、知恵を絞って作った料理や、
私の心配をしてくれる人たちが、居る。
不足はある。いくつもある。
けれど、どうしてだろう。
今までの暮らしと比較したら、何もかも不便で、大変で、疲労することばかりなのに。
あの贅沢な生活と、貧相極まりない今を並べると、
その色彩は──……。

順調すぎるくらい、順調なのだろう。
無人島に流れ着いたとは思えないほどに、
住居も、食糧も、水も、安定しつつある。
遂には、娯楽にまで手が届くかという始末だ。
油断はできないけれど、安心はしていいだろう。
……このシマには、全てが無かった。
大きなベッドも、お風呂も、豪華な食事も、身の回りの世話をしてくれる従者も。
今は。
テントの寝床や、ドラム缶のお風呂や、知恵を絞って作った料理や、
私の心配をしてくれる人たちが、居る。
不足はある。いくつもある。
けれど、どうしてだろう。
今までの暮らしと比較したら、何もかも不便で、大変で、疲労することばかりなのに。
あの贅沢な生活と、貧相極まりない今を並べると、
その色彩は──……。

「……やっぱり、私は……
お母様の、子ですのね」