Eno.205 春来る女神のフラメルの日記

それは大樹の中でした。

フラメルは元はたまたま大樹の中に迷い込んだ研究者でした。

大樹の世界。
一本の大樹を基幹として生態系が構成されている。
調べていくうちに不思議なことがわかったのです。

不思議な生態は主にその大樹の周りに植生している花、果実でした。

違和感に気づいたのはいつでしょうか、それすらわかりません。
この場所の果実を食べていると、昔の事を少しずつ思い出せなくなっているのです。

逆に外から持ち込んだ食物を食べていると、この大樹の中での出来事を思い出せなくなっているのです。

これを大樹が自らの周りに留めるだけだと仮説を立てました。
それからフラメルは研究のため、原生植物を自ら育て始めました。

気付いた頃には、既にフラメルは、大樹の生態系の中に取り込まれていました。