Eno.328 魔王マイダスの日記

魔建築記録:王道の始まり

【チャンピオンドーロ】
離島へ続く橋に、拠点からつながる石畳の道
道をそれて草むらに入ると、魔物が飛び出してきて襲われる
これは演習用のものであり、あなたの戦闘能力に応じた強さのものが現れる
敗北すると視界が悪くなるが、気がつけばその間に拠点へ走り戻っていることだろう
離島へ赴くだけならば道を、ヒトデやアヒルなどのマスターを目指すなら草むらを通るべし

なお、伝説的なルートや星屑のストリートを敷設する予定は現状不明である


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「……よし、これでようやく最後だな
資源豊かなこの島への行き来が楽になれば、生存により余裕が生まれるだろう」


「改めて見返しても良い道だな……
……我がこれまで進んできた道は、このように美しくはなかっただろうな」



魔建築技術を深く学び、故郷でそれを活かそうと帰郷したその時だ
大陸を広く束ねていた王が逝去し、反感を持っていた多くの領地で独立運動や次期指導者の自称が起こる
世は戦乱の刻となってしまった

小さな領地であった私の国も、その戦乱に巻き込まれんとしていた
砦で街を囲み、守らなければならない
その建築士として、私が立候補した

元より、当時の我らの風土では正々堂々と戦うことが美徳とされていた
ゆえに私の仕事は、本来であれば評価されることはなかっただろう
しかし、そうはならなかった
街を囲む迷宮と、そこに放たれた幻惑の魔法と魔生物……魔物たち
多くの小国を蹂躙した強国が、私の国に攻め込むことができなかったのだ

決して落とせぬ難攻不落のダンジョン
その噂を聞き、難民たちも多く訪れ、より砦を広げる仕事を引き受けてくれた
当初は見下していた兵たちも、気がつけば私の魔建築があること前提で戦略を立てるようになった
人々は安全に暮らせることを感謝し、私を祭り上げ始めた
攻め込むことのできなくなった他国からは、私の魔建築の技術が異様に高いことを噂し、魔に魅入られた恐るべき者がいると語るようになった

しがない建築士であった私は、少しずつ、少しずつ
様々な権力を任されるようになっていった



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「新しく作られたという移動式マスドライヴァーを見に行こうと思ったら、道ができてました!
うーん、誰が作ってくれたのかなあ?」


「あれ……あそこの草むらが揺れた気がします
行ってみよう!」



「ギヤーオ!」


「ウワアーーーーーーーッ!鳥燃えてるううううううう!!!
木の実原ァァァァァァ!!鳥燃えてんぞおおおおおおお!!」



「落ち着いてください雨水さん、アレは私が見た限り……
にらみつけバードだと思われます」

「にらみつけバード……ですか?」

「体は燃えていますが、主ににらみつけることしかしないので無害な魔物です
無理に捕獲しようとしない限り、安全だと思いますよ」

「う~ん……じゃあ、大丈夫そうですね!」


「ギヤーオ!」