Eno.583 BlancusとYayauikの日記

小休止




 突然の嵐に遭ってどうなることかと思ったが、ひとまずは落ち着いたように思う。
 この島はどうやら気候が安定していないようで、天気はコロコロ変わるし、気温も上がったり下がったりと忙しない。
 長く住むのに適していないというのも尤もだ。
 弱い人間だったら、ただ時間を過ごすだけでも体を壊してしまうだろう。
 僕はそんなことにはならないけど。
 多少再生能力が落ちたところで、元々が人間の体とはつくりが違うんだから。

 あれから住処も建て直して、前より少しだけ快適になった。
 獲物もよく獲れるし、水はいくらでも作れるから、今のところ生活には困っていない。
 気になることと言えば、この先のことだ。
 船が通りかかるのを待つにしても、一体いつになるのか。
 そもそも本当にそんな船は来るのだろうか。
 来たとして、その船にこちらの存在を気づかせる必要がある。
 その為には、今のうちにいろいろと準備しておかなければならないだろう。

 とはいえ今は一旦落ち着いて、改めてこの島を見て回りたいと思っている。
 何しろ未知の異世界だから、見たことのないものもたくさんあるのだ。
 そんなのをみすみす見逃す手はないだろう。
 もしかしたら、何か有用なものも見つかるかもしれないし。

 好奇心は魔術師に一番必要な素養だ。
 キリアンだってそう言っていたから、遠慮なく探索させてもらう。
 時間は可能な限り有効に使うべきだ。そうだろう?
 ただじっと助けを待つだけなんてつまらない。
 慎重に、だけど最大限に、楽しませてもらうことにしよう。



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