Eno.574 フリン・T・アミーゴの日記

【通信記録】

(街中を走る音がする)

『担当代わったぜ、こちらヴォルフ。様子はどうだ?』

「ああ、ちょうどお目当ての物を引っ張り出したところさ」

『やるじゃねえか。次は脱出だな?』

「そう言いたいけどね、ちょうど警備員に見つかったところだ。彼ら、速いな」

『お前の認識阻害なら、捕まっても楽勝だろ?』

「はは、全くその通り…」

「ッ!」

『フリン?』

(少しの間沈黙が続く)

「……拘束された。まあ、隙を見て逃げるさ」

『"アレ"があるんじゃねえのか?』

「"アレ"…?もしかしてスタンガン?ああ、すっかり忘れてた」

(強い電撃の走る音がする)

「こちらフリン、無事に抜け出せたよ。計画していた脱出ルートに軌道修正する」

『よし、次は捕まるんじゃねえぞ』

「わかってる。それで――」

『……フリン?通信が不安定だ、どうした?』

『は、通信切れ!?オイ、何があった?!』

(通信が切れる)

―――――――――――――
―――――――――
―――――

「こちらフリン。不覚にも、ウサギ穴に落ちた。入り口もふさがっちまって行き先は不明だ」

「スタンガンも他の荷物も、どっかに行ってしまったけれど――――」

「でも、狭間ではないらしい。つまり、出口がある。実にツいてる」

「ああ、お目当ての物もしっかり持っているよ。身に着けていれば、無くすことはないからね」



「ああ、まあ、そうだね……出口の先で、新しいオトモダチができれば嬉しいばかりだよ」