Eno.150 ウオヌマ=ツキジの日記

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「銛漁頑張りすぎて、足の傷増やさないようにな~!」


鬼さんがわたしに発してくれた言葉。
きっと脚に貼られた大量の絆創膏を見て心配してくれていたんだと思います。
それを聞いたわたしは自分の脚を見てから彼女にお礼…いや、強がりをしてしまいましたね。

(脚の傷は頑張った証なんて…。
 我ながら酷い言い訳だったと思います。)


毎日とてもよくしてくれる彼女とは言え絆創膏の奥を見られてしまうことに恐れを感じてしまったわたし。
何の言い訳にもなってない言葉で返した後、急いで洞穴へ向かっていきました。

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穴の奥の奥。
ここならきっと大丈夫。探索に来たとしても誰もここまで奥へは来ないはず。
わたしは腰掛けにちょうどいいサイズの岩を探すとそこに腰を下ろして脚の状態を確認します。

「あ…やっぱりここ、剝がれかけていますね。」


防水性の良いものを貼っていますがここ数日の過酷な生活ですっかりボロボロになっていました。
絆創膏の奥も少しだけ露出していて出口からさす光で淡く光っています。
もしこれが誰かに見られたとしたら…ああ皆さんはどう思うのでしょう。

「仕方ありません。ここは貼り変えましょう。」


わたしは服のポケットから皆さんには内緒に持っていた絆創膏の箱を取り出すとそこだけ新しいものに貼り変えました。
あんなに私たちの為に力を尽くしてくれる、そして会話がぎこちないわたしにさえ仲良くしてくれる皆さん。
そんな彼、彼女たちに嘘や隠し事をすることに対する後ろめたさは日に日に強くなるばかり。
多種多様な種族の方が共同で生活をしているこのチームなら伝えたところで大事にならないと思います。でも…






みんなに伝えるカミングアウトするタイミング。
 逃しちゃったかもしれませんね。…あはは。」