Eno.378 白波の眷属の日記

ささやき 6

小屋に落ちている貝殻を耳に当てると、かすかに呟く声が聞こえる。

「暑くなったり、雨がふったり。
 この島って、なかなか落ちついてないよねえ」



「橋をつくってくれた子がいて、おかげで新しい島にいけるようになったよ。
 すこし前には、洞窟にもはいれるようになったし」



「あと、ナミバタハッカがココナッツをみつけてくれて、
 ついにフレンチトーストがつくれたよお。よかったあ!
 ずっとミルク……みたいななにかがほしいとおもっていたから、ありがたいね」



「いろんなものを食べられるようにするの、すごくたのしいけど。
 ヒトデだけは……どうすればいいのかなあ?
 鬼の子には粉にした薬?にしてわたしたけど、あれ以上はたべものらしくならないよねえ」




「それからね……いつも急にヒトデをみるとびっくりしちゃう。
 かわいい形で、小さくて。なにも驚くいきものじゃないのにね。
 忘れちゃっただけで、前にまちがってたべちゃったりしたのかな。
 むかしのぼくは、そのあまりのおいしくなさに、いやになっていたりして?」