妖精回帰:仕事
何度か転生を繰り返すうち、そろそろと擦れた世界と舐め腐った頃他の妖精たちと一緒に
集められた地方会議で「あるモンショウをもつニンゲンを探しだせ」と言われた。
妖精は小さいニンゲンに叩かれたらふつうに死ぬ。小さいから魔法も強く出せないどころか
詠唱する脳みそすらない。ふつう、命と引き換えに発火するとかそういう特攻型がおおい。
会議をかけたやつも、どの妖精が何が得意か知らない様子だったし人海戦術の模倣だったんだろう。
当然妖精が作戦を理解することはないが、噂話は大好きだ。
こう言う絵を見たら知らせること。それさえ分かっていればいいみたいな話。
( はぁ~?侵略してたら来るって話じゃなかったのかよ。 )
転生するたびに爆増していったパーティーはいつしか『クニ』となっていた。
おはようと言われるたびに大きく間取りの変わる新居は居心地が悪く、
王様の上着に引きこもるも側近につまみ出され外でブラブラするだけ。
( ⋯ま、ちゃっといってちゃっと見つけてくりゃいいだろ。
ぼくの担当は⋯っと。 ⋯⋯⋯。 )
「げぇ!!なんでぼくだけこんなド辺境なんだよ!!」
「妖精如きがつべこべ言うな!いけ脳なし!!」
「はぁ~~!?テメー面覚えたからな!!」
そいつはただニヤニヤと笑っていた。
妖精が一個人の顔を認識できるとは思っていない面だった。
転移魔法であっという間に飛ばされた辺境は田舎というよりジャングルに近く、
聞いたこともない獣の声や見たことのない木々に囲まれていた。
( ⋯ざっけんな、ざっけんなクッソが!! )
別にもはや転生するのが分かっているから、死ぬというラインは躊躇する壁ではない。
ただ次はいつかなと思う程度だが⋯流石に慣れない土地でさまざまな要因にフルボッコにされ
力尽きかけたとき。空が暗くなった時は、ああ死んだんだなと考えた。
がぶ。
「⋯拾い食いすな⋯⋯!!」
おもわず抵抗した時、驚いている生き物が久しぶりに見た二足歩行で、
まさかニンゲンだとは思わなかった。