Microcosmos03
夢を見た。
微温湯みたいな世界で、自分を必死に保とうとしている夢だ。
捕まえていなければ逃げられる。
捕まえていなければ奪われる。
僕は必死だった。誰が何と言おうと間違いなく。
必死だったのだ。それしか方法はなかった。
他に出来ることなど高が知れている。
誰もが僕を奪おうとする。
侮って、支配して、征服しようとする。
だけどひとつだけ。
空虚の中で、飢餓の中で、ある日僕は自分を見つけた。
微温湯みたいな世界は、僕の世界でもあった。
柔らかくて、温かくて、空っぽで、血の匂いがする。
だから奪われないように、離さないように必死だった。
牙を立て、爪を立てて、絶対に逃がさないように捕まえていた。
痛いよ、と時々笑い混じりに聞こえる。
血が流れるのは生きているからだ。
痛いのはいいことだ。
嬉しくなって、更に強く牙を食い込ませた。
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